2021年6月11日金曜日

川上裕己 絵画展

 2021年5月から6月末まで、川上裕己さんの絵画展を大阪刀根山医療センターにて開催しています。


川上さんは、大阪刀根山医療センターの患者様です。

2歳の時、筋ジストロフィーと診断され、当院に通院しておられます。

現在は、大阪府立箕面支援学校高等部3年生です。



川上さんの展示は、高校1年生の時に続き、2回目の展示となります。



手前の作品「紅葉と滝」は、
2020年の肢体不自由児・者美術展において、文部科学大臣奨励賞を受賞。



右の作品『ぼくの富士山~上空より』は、
2019年のキラキラっとアートコンクールで、優秀賞を受賞。



「秋色」の左下部分を拡大してみました。
近づいてみると、とても繊細な線で、様々なモチーフが重なって描かれている様子が見えます。

大きい作品は、数カ月かけて仕上げるそうです。
一度仕上げた作品でも、上から別の画材で書き込みをして、更に進化させていくこともあるそうです。

向かって右の作品「囲炉裏」の一部を拡大しました↓

囲炉裏端から、美味しいそうな匂いが漂ってきそうですね。



ギャラリーでも、川上さんの制作の様子を紹介しました。
川上さんのインスタグラム(ユーザーネーム:yuuki_pen)でも制作の様子を見ることができます。

興味のある方は、ご覧になって下さいね。

「秋色」の制作風景↓↓
https://www.instagram.com/p/CJznqq5Do8c/?utm_medium=copy_link






手前の作品『海遊』は、
2019年の肢体不自由児・者美術展で、NTTデータジェトロニクス国際賞を受賞。





◇制作の様子


筋力低下が進んできているため、軽量ペンや真の柔らかい水彩色鉛筆を使用しているそうです。また、画用紙を動かすなど、工夫しながら、絵の制作に取り組んでいるそうです。


◇川上裕己さんのプロフィール

2003年10月3日生まれ。

大阪府立箕面支援学校高等部3年生。

2歳の時に進行性筋ジストロフィーと診断される。


小さい頃から絵を描くことが大好きで、山や海など自然や生き物をテーマに独創的な絵を多く描いている。

作画には、製図用ペン、筆ペンや水彩色鉛筆を使用。


詩集本「ペンを持つとボクね」(柿本香苗著・竹林館)の挿絵を描いたり、絵画コンクール入賞歴も多い。


年々筋力低下が進み、絵を描くのに時間がかかったり、画用紙を回して描くなど工夫も必要になったが、

マイペースに自分のイメージで絵を描き続けている。


☆インスタグラムに絵の写真や動画を投稿しています。

ユーザーネーム:yuuki_pen

 


(秋山)






























2021年6月10日木曜日

古藤俊 写真展「刀根山の春 ~大阪刀根山医療センター散歩道の春~」

  5月GW明けから、大阪刀根山医療センター(大阪府豊中市)にて、古藤俊さんによる写真展「刀根山の春~大阪刀根山医療センター散歩道の春」を開催しています。

古藤さんは、大阪刀根山医療センターの患者様です
昨年4月に入院された際、病棟や敷地内で撮影した写真の中から、お気に入りのものを厳選して写真冊子を作成されました。
今回の展示は、その『日々写真日記・刀根山の春』(大阪刀根山医療センター散歩道の春)という冊子を基にしたものです。


病院敷地内に咲く白いたんぽぽは、知る人ぞ知るものだそうです。


展示をご覧になった患者様の中に、院内を散歩した際、見たことあるという方もおられました。






こちらが、今回の写真展のもととなった『日々写真日記・刀根山の春』です。

病院スタッフが、入院中の古藤さんから、この『日々写真日記・刀根山の春』を見せていただいたことをきっかけに、今回の展示をお願いすることになりました。



『日々写真日記・刀根山の春』の見開き(↑↓)


冊子では、このようにページをめくった時、「雑木林とたんぽぽ」、「雑木林と空港暮風景」、「雑木林と日の出」など、リズム感を狙った構成となっているそうです。
今回の展示も、ほぼ冊子の順番で展示されています。





私たち職員にとって、見慣れている(と思っている)風景ですが、季節、時間帯、切り取り方によっては、こんなに美しく、違った風景に見えるんだなぁ。と改めて感じさせられるものでした。




今回、展示に協力してくださった古藤さんです。
現在は、お住い近くの大仙公園(堺市)にて、カワセミの写真を撮ることを楽しんでおられるそうです。



最後に、古藤さんの「ご挨拶」と「略歴」をご紹介します。


◇ご挨拶
私は発病から10年のパーキンソン病(厚労省指定難病)患者です。住まいは堺市ですが、リハビリの方法を学んだり服用中の薬の見直しをするために2018年の夏に刀根山病院(当時)へ4週間入院いたしました。以後定期的に入院して治療・指導を受けています。

今回の作品は2020年の4月に入院した際に撮影したものが主となっております。入院病棟が東西の方向で、東の窓には朝焼けの空が広がり、夕刻には西の窓から夕陽の中を飛ぶ航空機の姿が見えました。また、看護学校下の斜面には この辺りには少ない『白花タンポポ』の花が沢山咲いていました。入院病棟の5階からすぐ横の雑木林は桜と雑木の新緑のコラボレーションが美しく写真を撮りたくなる素晴らしい環境でした。

撮影した写真の中から気に入ったものを選び『日々写真日記・刀根山の春』(大阪刀根山医療センター散歩道の春)(私家版)を作成しました。今回の作品展はその私家版の内容に基づいたもので一部省略とキャプションの現実に即した手直しをいたしました。
ごゆっくりご覧ください。

2021.5吉日     古藤  俊



◇古藤俊さんの略歴
1950年 大阪市住吉区にて誕生

鳥取大学農学部農芸化学科卒業

大阪府立高等学校で理科教員として37年間勤務(主に化学担当)勤務校(大阪府立大正・美原・夕陽丘・農芸高等学校)

この間黒白写真の現像プリント等基礎技術を独習 

黒白写真作品を作り始める

1990年 日本カメラ社月例フォトコンテスト小型モノクロ(黒白)写真の部で年度賞第7位受賞

以後 植物・昆虫の近接撮影を中心に写真活動を継続
現在は自宅近くの堺市大仙公園においてカワセミを中心テーマとして写真撮影を行っている





(秋山)